頭頸部癌
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シンポジウム6
HPV関連中咽頭癌の発癌・臨床像におけるAPOBECの役割
加納 亮近藤 悟吉崎 智一
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キーワード: HPV, 中咽頭癌, APOBEC, 発癌, 予後
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2020 年 46 巻 1 号 p. 18-21

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抄録
近年,ヒト乳頭腫ウイルス (HPV)は,中咽頭癌の発癌ウイルスとして注目されている。しかし,中咽頭癌におけるHPVの発癌機構・HPVと臨床像との関連性は不明である。
同じHPV発癌である子宮頸癌では,HPVが子宮頸部上皮細胞に持続感染し,HPVがコードする2つの癌タンパク質E6/E7が,癌抑制遺伝子であるp53/Rbをそれぞれ不活化することで異常増殖細胞が生じ,HPVゲノムが宿主ゲノムに組み込まれる(インテグレーション)等の過程を通して発癌する。本来はウイルス感染に対する内因性免疫として働くAPOBEC3によってHPVゲノムや宿主細胞ゲノムに遺伝子変異が誘導され,上記過程に関わっている可能性がある。
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© 2020 日本頭頸部癌学会
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