抄録
本邦では2020年9月現在,頭頸部扁平上皮癌に対して,ニボルマブ及びペムブロリズマブの2剤の免疫チェックポイント阻害薬が承認されており,実臨床でのエビデンスも集積されつつある。本稿では,これら2剤の承認取得の前提となった2つの臨床試験(CheckMate 141試験及びKEYNOTE-048試験)について,それぞれの対象患者,試験デザイン,併用薬及び対照薬の相違点を中心に概説する。特に,両試験では患者選択において,プラチナ製剤の前治療歴に関する基準が異なっていることから,その点についても解説したい。