抄録
遊離組織による再建術は,頭頸部癌切除後の治癒,形態,機能温存において有用である。遊離組織採取と縫い付け,顕微鏡下血管吻合は形成外科医が施行するのが一般的だが,当科では空腸の採取を除き2017年4月から頭頸部外科医が行っている。2019年9月までの40例(41皮弁)に対し,主に周術期に関する後方視的検討を行った。原発巣は舌が16例,下咽頭が12例と多く,ほぼ全例が進行癌であった。切除術は咽頭喉頭頸部食道全摘出術が13例,舌亜全摘出術が7例と続いた。再建材料は空腸が12例,前外側大腿皮弁が11例と多く,上甲状腺動脈と内頸静脈への吻合が大半を占めた。術時間と出血量の中央値はそれぞれ603.5分,517.5mlであった。術中トラブルは5例で生じた。術後合併症は17例,再手術が3例あったが,吻合部血栓による皮弁壊死や縫合不全はなかった。改善点はあるが,過去の報告と比較しても劣らない成績であった。