1990 年 16 巻 2 号 p. 103-108
声門部癌T1・T2新鮮例72例に対して, レーザー治療と放射線治療との比較検討を行い, 以下の結論を得た。
声門癌T1a症例は, レーザー治療単独でも放射線治療と同等, あるいはそれ以上の治療成績が得られ, さらに放射線を併用することにより喉頭を保存して根治できる可能性がある。声門癌T1b症例は, レーザー治療単独または放射線の併用により, 放射線単独と比べて喉頭保存率の向上が期待できる。ただし, 両側声帯の広範な切除を要するものは術後の音声に問題を残す。声門癌T2症例のレーザー治療には症例の選択が必要である。