頭頸部腫瘍
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上顎癌の持続動注化学療法と放射線併用治療の長期観察例における検討
真崎 規江茶谷 正史又吉 嘉伸久保 和子渕端 孟清水谷 公成池田 恢井上 俊彦
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1992 年 18 巻 2 号 p. 27-32

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抄録

大阪大学放射線科で1967~1984年に放射線治療が行われた上顎洞扁平上皮癌は592例で, 放射線治療単独は136例, 化学療法併用は456例である。平均経過観察期間は12年 (6~24年) で全例の5年および10年生存率は, それぞれ34%および24%である。T病期別の5年および10年生存率は次のごとくで, T2 (107例): 57%と37%; T3 (318例): 37%と27%; T4 (158例): 22%と18%である。平均の照射線量はTDFで示すと照射単独群では123 (59~184) で, 5-FU持続動注併用群では90 (49~181) である。5年時点での非再発および実測生存率は照射単独群でそれぞれ11%と20%であり, 5-FU持続動注併用群では42%および57%である。治療法別で最も好成績なのは放射線50Gy/25f/35d (TDF82) 照射と5-FU持続動注2.5gr/10f/35d併用群である。この方法が高い制御率と眼球・上顎を高率に温存できると結論される。

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© 日本頭頸部癌学会
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