頭頸部腫瘍
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上縦隔郭清の現況
リンパ流から見た郭清範囲ならびに胸骨切開法
永原 國彦塚本 哲也山本 一宏山崎 萬里子
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1994 年 20 巻 3 号 p. 428-433

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抄録

縦隔郭清術を施行する際には, 頸部郭清術とのコンセプトの相違ならびに縦隔におけるリンパ流の特徴に注意すべきである。縦隔へのアプローチに際しては, 片側鎖骨切除を含む胸骨柄切除, あるいは第3肋間の高さでの逆T字切開により上縦隔に対する十分な視野が確保できる。縦隔リンパ節郭清のポイントは胸部上部傍食道 (No. 105最上), 胸部気管リンパ節 (No. 106) を必ず郭清することである。また, 術中迅速病理を多用して不要な郭清を避けること, 気管, 反回神経, 無名動脈周囲の愛護的郭清を徹底すること, 迷走神経や気管支動脈を保存することが大切である。要すれば反回神経や気管の再建も行い, 喉頭機能を温存しつつ治療成績の改善を期待することも可能である。しかしながら糖尿病や肝硬変を合併している場合には, 一歩下がって縮小手術を考慮する心構えが大切である。

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© 日本頭頸部癌学会
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