「目的」成人病を合併した中高年齢患者は, 強力な化学療法に耐えられないことが多い。これに対処し得る適切な放射線療法と化学療法の併用療法を検討した。「対象方法」1984年1月から1993年12月までの間に初回治療を行ったワルダイヤ輪初発非ホジキンリンパ腫びまん性中等度悪性群 Stage IE IIEで成人病を合併した38例を対象とした。投薬量を70%に減量したACOP (2 cycle) もしくはMACOP-B (8 weeks) を行った後, 30Gyの隣接リンパ節領域照射と10~20Gyの局所追加照射の併用療法で治療した。「結果」5年局所制御率は100%であり, 5年非再燃および5年疾患特異性生存率は, 85.7%と91.4%であった。治療完遂率は100%であり, 併用療法による重篤な合併症を認めなかった。「結語」ワルダイヤ輪初発の成人病を合併した中等度悪性群に対しては, 70%に減量した短期間の化学療法と, 病巣部位に対する40Gyの局所照射および30Gyの隣接リンパ節領域照射の併用療法が, 有用であり安全であった。