頭頸部腫瘍
Online ISSN : 1883-9878
Print ISSN : 0911-4335
ISSN-L : 0911-4335
CT再構築画像 (Dental CT) による口腔癌顎骨浸潤の評価に基づく下顎骨切除方法の選択に関する検討
岸 豊子草間 幹夫星 健太郎名取 恵子松本 玲子酒井 英紀榎本 昭二倉林 亨
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 24 巻 1 号 p. 109-115

詳細
抄録

1995年から96年の間に当科で下顎切除を含む手術を施行した口腔癌患者で, 術前に Dental CTプログラムによるX線CT検査を行った9症例について, 術前の画像診断と手術材料の組織学的所見を比較し検討を行った。単純X線写真で下顎骨吸収様式が平滑型を示した症例の吸収範囲, 吸収深度はDental CT画像とおおむね一致していたが, 虫喰型を示した症例では Dental CT画像による吸収範囲の方が広範囲であった。頬側または舌側の片側のみの歯槽部に限局した骨吸収症例では, 単純X線写真でその吸収像を確認する事ができなかったが Dental CT画像では吸収範囲, 吸収深度が明確に示された。さらに, Dental CT画像で示された骨吸収範囲, 吸収深度は組織学的所見とほとんどの症例で一致していた。以上の結果より, Dental CT画像は正確な骨吸収範囲を判定することができる手段であり, 顎骨切除方法を決定する際に大変有用と思われた。

著者関連情報
© 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top