頭頸部腫瘍
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口腔扁平上皮癌の悪性度に関するDNA診断分析法
丹沢 秀樹鵜澤 一弘福田 正勝宮川 昌久椎葉 正史渡辺 俊英宮 恒男横江 秀隆
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1999 年 25 巻 1 号 p. 65-69

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抄録
APC (adenomatous polyposis coli) 遺伝子と, 染色体上の共通欠失領域の異常を検索することにより, 口腔扁平上皮癌の悪性度を判定するDNA診断法を考案した。APC遺伝子についてはエクソン11のヘテロ接合性消失 (LOH, loss of heterozygosity) とエクソン8~15領域の点突然変異を検索した。染色体マイクロサテライト領域の異常状態の検索としては, 我々が報告した共通欠失領域 (2q37, 3p23, 5q31, 7q31.1, 9p21, 9p22.2-23, 11q23, 11q25, 13q14.3, 18q21.1, 22q24) におけるLOHを調べた。
口腔扁平上皮癌の組織分化度, 微小転移の可能性をこの方法で評価し, 治療法を選択した。まだ, 観察期間は長くないが, 66症例中, 再発者はわずか3名であり, 3年累積生存率は従来が68%であるのに対し, 94%と有意に改善していた。
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© 日本頭頸部癌学会
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