頭頸部腫瘍
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外耳道癌の臨床的検討
松田 洋一千々和 圭一伊藤 信輔中島 格
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2002 年 28 巻 1 号 p. 131-136

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抄録

外耳道癌は頭頸部癌の中では比較的稀な疾患である。本報告では1981年から, 2000年までの20年間, 当院で取り扱った外耳道癌23例についての治療成績を検討した。年齢は43歳から85歳 (平均67歳), 組織型は扁平上皮癌が17例, 腺様嚢胞癌が3例, 腺扁平上皮癌, 基底細胞癌, 未分化癌が各1例ずつであった。全ての症例を Arriaga らのTNM分類に準じて分類した。T分類ではT1が8例, T2が3例, T3が6例, T4が6例で, 治療前5例に頸部リンパ節に転移を認めた。治療成績は Kaplan-Meier 法による累積3年生存率で検討した。全症例の治療成績は55%で, T別ではT1, T2で100%, T3で50%, T4で0%と進行症例ほど不良であった。原病死は全て原発巣死で10例であり, 全体の43%を占めた。外耳道癌の治療成績向上には原発巣の制御をいかに行うかが重要と考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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