2002 年 28 巻 3 号 p. 568-572
肺癌リンパ節転移の術前評価を縦隔鏡検査で行ってきた。1000例の縦隔リンパ節転移陽性率は249例 (25%) で, 右側腺癌の陽性率が41%と高値であった。縦隔鏡正診率は全縦隔領域で右側91%, 左側85%であった。転移リンパ節レベル数別の予後は5年生存率で2レベル以上転移例が特に不良であった。手技をビデオ供覧した。初回2例は容易に挿入, 剥離し生検できた。再縦隔鏡2例は強度の線維性癒着のため慎重な剥離を要した。以上より縦隔鏡検査は組織学的にリンパ節転移を把握でき, 予後の推測にも有用な手技であると考えられた。