頭頸部腫瘍
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原発性下顎骨中心性扁平上皮癌の臨床病理学的検討
生田 稔原田 浩之中島 雄介茂木 世紀島本 裕彰石畝 亘有川 稔多加小村 健
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2003 年 29 巻 1 号 p. 46-50

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抄録

原発性下顎骨中心性扁平上皮癌7例の臨床病理学的検討を行なった。年齢は49歳から79歳で, 性別は男性4例, 女性3例であった。N分類 (1997, UICC) はNO: 4例, N1: 1例, N2a: 1例, N2b: 1例であった。初回治療法は手術3例, 放射線+手術4例で, 原発巣切除法は下顎骨区域切除4例, 下顎骨半側切除3例であった。なお, 全例に頸部郭清術を併施していた。最終的に原発巣が制御されたのは6例で, そのうち1例に遠隔転移を認めた。病理組織学的には, 全例下歯槽神経血管束への腫瘍浸潤を認め, 6例で下顎骨周囲の筋組織への腫瘍浸潤を認めた。また, 4例で頸部リンパ節転移を認めた。以上より, 原発性下顎骨中心性扁平上皮癌の治療においては, 周囲軟組織の進展範囲を正確に診断し, 十分な安全域を設定した切除が必要であり, 頸部郭清術を併施すべきと考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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