頭頸部腫瘍
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遊離空腸再建症例における voice prosthesis 一期的挿入による音声再建
古田 康永橋 立望本間 明宏折舘 伸彦目須田 康西澤 典子関堂 充山本 有平奥芝 俊一福田 諭
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2003 年 29 巻 1 号 p. 81-85

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抄録

喉頭全摘後の音声再建法として, 長期に留置可能であり交換も容易な Groningen voice prosthesis または Provox IIをT-Eシャントとして用いる方法が本邦においても普及し, さらに遊離空腸再建症例にも試みられている。我々は遊離空腸再建症例において Groningen voice prosthesis を一期的にT-Eシャントとして挿入する方法を6症例において試みた。広瀬の会話機能評価基準に従い評価すると, 8~9点の excellent レベルが5例, 7点の moderate レベルが1例であり, おおむね良好な発声が可能であった。本法の利点は移植した空腸に操作が加わらず安全であること, 退院時までには発声ができるようになり早期の社会復帰が可能であることが挙げられる。但し, 頸部食道まで浸潤している症例においては二期的T-Jシャント作成を考慮する。Voice prosthesis の改良により, 今後普及する方法と思われる。

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© 日本頭頸部癌学会
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