頭頸部腫瘍
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舌扁平上皮癌 (T1, T2N0) に対するレーザー舌部分切除の検討
石井 準之助藤田 邦夫古森 孝英
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2003 年 29 巻 4 号 p. 569-574

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抄録

当院口腔外科にて1981年から2002年の間にレーザーにて舌部分切除術を行った舌扁平上皮癌 (T1, T2N0) 37例について検討した。T分類はT1: 22例, T2: 15例で, 性別は男性23例, 女性14例, 年齢は39歳から79歳 (平均61.8歳) であった。レーザー手術は術中の止血が良好で, 周囲組織への侵襲が少ないため術後の疼痛や浮腫は軽度で, 機能障害は軽微であった。再発は5例 (13.9%), 後発転移は3例 (8.1%) に認められた。再発症例5例中4例がT1症例であった。後発転移症例3例中2例は再発症例で, 頸部非制御のため原病死した。T1, T2N0症例の舌扁平上皮癌に対するレーザー部分切除の累積5年生存率は96.9%であった。舌扁平上皮癌に対するレーザー舌部分切除は表在性癌であれば術後の機能障害を残さず切除可能であり, T1, T2N0症例では筋組織浸潤が7mm未満であれば適応の可能性が示唆された。

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© 日本頭頸部癌学会
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