日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
下肢蜂窩織炎を契機に発見され,乳糜胸水をきたした進行胃癌の1例
吉澤 和哉佐々木 悠阿部 靖彦菅野 奈々水本 尚子八木 周矢尾板 孝夫岩野 大輔名木野 匡佐藤 剛司野村 栄樹西瀬 祥一上野 義之
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2013 年 110 巻 11 号 p. 1943-1949

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抄録

症例は61歳,女性.咳嗽・呼吸困難と左足・殿部の痛みを主訴に受診し,皮膚科で蜂窩織炎と診断された.CTで右胸水,多発リンパ節腫大,胃壁の肥厚を認めた.胸腔ドレナージで乳糜胸水を認め,細胞診では腺癌が示唆された.上部消化管内視鏡検査で3型胃癌を認め,胸膜播種とリンパ節転移と判断して化学療法を行ったが,原病悪化のため死亡した.本症例では胃癌によるリンパ管閉塞のため,乳糜胸水を生じたと推察された.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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