日本健康開発雑誌
Online ISSN : 2434-8481
Print ISSN : 2432-602X
ISSN-L : 2432-602X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

未就学児における浴槽入浴による心身の変化と入浴剤使用頻度、保護者の入浴に関する背景因子との関連
小番 美鈴渡邊 智奥川 洋司石澤 太市松本 圭史綱川 光男園田 巌井戸 ゆかり早坂 信哉
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 202244G03

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

目的 未就学児(子)における浴槽入浴がもたらす子の健康感や機嫌などの変化について、子の浴槽入浴習慣、保護者の背景因子との関連を示す。

方法 2021年1月に、全国の0~5歳の子を持ち調査参加に同意を得られた429名を対象にweb調査による自記式横断研究を実施した。そのうち、データ欠損を含まない369名を分析対象とした。浴槽入浴をすることで得られる子の変化を「寝つきが良くなった、健康になった、機嫌が良くなった、会話が増えた、特に変わらない」とし、子の浴槽入浴頻度、入浴剤使用頻度、保護者の子の入浴法の意識、保護者の幼少期における入浴の思い出との関連について二項ロジスティック回帰分析を行った。

結果 浴槽入浴を習慣的に行っている子は84.32%であり、そのうち、浴槽入浴をしっかり行うことで心身の変化が得られた子は58.68%(寝つきが良くなった19.07%、健康になった14.40%、機嫌が良くなった14.40%、会話が増えた10.81%)、特に変わらない子は25.64%であった。浴槽入浴により、子が健康になった、親子の会話が増えたと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、保護者の幼少期における入浴で楽しんだ思い出と関連があり、子の機嫌が良くなったと回答した者は、入浴剤使用頻度が高く、皮膚への乾燥防止などの子の入浴法の意識と関連があった。

考察 浴槽入浴から得られる子の健康感や機嫌、親子の会話などの変化は、入浴剤の使用や子の入浴法の意識、保護者の幼少期の入浴の思い出と関連している可能性がある。

著者関連情報
© 2022 日本健康開発財団
feedback
Top