日本健康開発雑誌
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高齢者を対象としたいわゆる健康食品の広報戦略の特徴:科学的思考を歪めさせるキャッチ・フレーズ
上岡 洋晴朴 相俊和田 安代島田 美樹子
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論文ID: 202445G05

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抄録

背景・目的 健康食品の摂取に伴う高齢者の健康被害や消費トラブルが増加している。そこで、本研究は、高齢者の科学的思考を歪ませるような広報戦略における行動心理学的効果の特徴を明らかにすることを目的とした。

方法 インターネットの検索エンジン「YAHOO!Japan(https://www.yahoo.co.jp/)を用いて2023年11月23日~12月10日の期間にキーワード検索を実施した。キーワードは「アンチエイジング」、「サプリ」、「ランキング」とし、ヒットしたインターネット広告の上位5件のサイトを採用した。対象となったサイトのランキングに入っている企業の商品の高齢者に関するキャッチ・フレーズ(CF)を抽出した。計量テキスト分析を用いて文章を短い言葉(語)に分解した。テキストデータからの語への分解については形態素解析を行い、意味のある最小単位に分解し品詞を判別した。次いで共起ネットワーク分析を行い、同時出現(共起)関係から語のまとまりをサブグラフ検出(媒介)によりグループ化・グラフ化した。さらに消費者の購入意欲を高めさせる行動心理学的効果を期待していると考えられるCFを特定した。

結果 高齢者を対象としたアンチエイジングのサプリにおいては、「健康で、より若々しく、美しくなれる」というメッセージを基盤として、購入を促進させる権威者への服従心理、スノップ効果、バンドワゴン効果、シャルパンティエ効果などの行動心理学的広報戦略としてのCFが取り入れられていることが明らかになった。

考察 消費者が賢く購入の意思決定するために、商品の機能性と安全性に関する教育啓発に加えて、CFによって科学的思考を歪ませないための情報提供もアカデミア研究者や消費者庁などは併せて行っていく必要であると考える。また、いわゆる健康食品に関するリスクコミュニケーションの普及が強く望まれる。

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