日本健康開発雑誌
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多様な入浴方法が生体情報に与える影響:マイクロバブル入浴とウルトラファインバブルシャワー浴の比較検証
青木 駿介野々山 昌生早坂 信哉
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論文ID: 202546G05

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抄録

背景・目的 入浴は心身の健康に対して多くの効果がある。入浴方法も多様化し、特にマイクロバブル(MB)入浴はさら湯よりも温浴効果や心理的健康効果が高く、目的に合わせた効果的な入浴が期待できる。本研究では、湯温・入浴時間の異なるMB入浴とウルトラファインバブル(UFB)シャワー浴が生体情報に与える影響を比較調査し、その身体的・心理的健康効果を検証することを目的とした。

方法 健康な男女12名を対象に、湯温・入浴時間の異なるさら湯・MB入浴・UFBシャワー浴での同一被験者内ランダム化比較試験を実施した。入浴前後には、心身の状態を確認するため、心拍・体温・脳波の生体情報計測を行った。また入浴前後30分毎にPVT(Psychomotor Vigilance Test)による反応速度検査と、SAM(Self-Assessment Manikin)テストとVisual Analog Scale (VAS)により自分の状態に対する主観評価を行った。

結果 心拍数は他の入浴方法と比較してMB入浴は減少が緩やかだった。また、LF(Low Frequency Power)とHF(High Frequency Power)の比LF/HFはUFBシャワー浴のみ増加傾向が確認された。体表温は、さら湯・MB入浴時に増加していた。脳波では、MB入浴・UFBシャワー浴に対して心理的好感が高く、UFBシャワー浴では集中度が高い状態が維持されていた。PVT反応速度では、UFBシャワー浴の際に入浴直後に向上することが確認された。主観評価では、MB浴においては心理的・身体的にポジティブな変化を実感していること、UFBシャワー浴においては入浴直後に覚醒感が感じられるが、その他の身体的な影響は低いことが確認された。

考察 MB入浴は、低温でも持続的な温熱効果と高いリラクゼーション効果が得られるため、高齢者でも安全に利用でき、多忙な人々の休息効果を高めるのに有効な入浴方法と考えられる。一方、UFBシャワー浴は身体的負担が少なく、短時間で覚醒効果を高める入浴方法としてリフレッシュしたい朝の利用が適している可能性が示唆された。

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