東京保健科学学会誌
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振動刺激が座位傾斜制御に及ぼす影響
岩崎 健次池田 由美堀川 博代中俣 修竹井 仁柳澤 健
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1999 年 1 巻 2 号 p. 237-242

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抄録
座位の支持基底面である臀部の体性感覚情報が傾斜制御および学習に影響を及ぼすという仮説の検証を目的として大学生12名を対象に閉眼で2つの実験を行った。実験1では頭部・体幹を15度左方へ傾斜させ, 左臀部に振動刺激(77Hz)を付加した結果, 頸部・腰部の側屈角度は3群に, 頭部傾斜角度は振動刺激による影響の有無から2群に大別された。側屈角度の3群と振動刺激の影響との関連性は認められなかった。実験2では臀部に振動刺激を付加し片側への体幹傾斜を練習し, 反対側へ振動を付加せずに傾斜させた際の目標値に対する誤差から学習の両側性転移の有無を調べた。その結果, 実験1での振動刺激による反応の差異と無関係に両群とも頭部傾斜角度の誤差は減少し両側性転移がみられた。以上のことから, 個人による姿勢制御方略の多様性, フィードバックの有効性, およびフィードバックにより制御方略が変更される可能性が示唆された。
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1999 日本保健科学学会
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