東京保健科学学会誌
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Tilt-Table下降時の主観的水平感覚の誤差について
中山 恭秀宮野 佐年
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1999 年 1 巻 2 号 p. 234-236

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抄録
本研究の目的は, Tilt-Tableで直立位から水平位にする際, 悪心を訴える前の不安感や不快感に影響を与えていると思われる主観的な水平位を, どの程度の角度で感じるのかということについて検討する事である。Tilt-Tableに対する知識や経験の無い健康な成人男女14名, 平均年齢27.4歳を対象として測定した。下降時の主観的水平位は, 平均22.07±7.96度であった。これは, 前庭系, 体性感覚系, 視覚系からの情報が統合されて平衡感覚となることに対して, 前庭系が等速回転運動を感知しないという特性と, 平均値の22度では天井が視界に入るために, 視覚系による誤差判断が十分にできないというTilt-Tableの機能特性が誤差を生じさせたものと考える。Tilt-Table下降時は, 30度から15度で1, 2回止め不安感を除去した後に, 先行研究で述べられている悪心を考慮した10度周辺で再度止めることが望ましいと思われた。
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1999 日本保健科学学会
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