抄録
本研究は, 日本版生活満足度尺度(LSIA)を取り上げ, その因子構造モデルの適合度を在宅中高年者の資料を基礎に検討した。調査対象は, 愛媛県島嶼部のA村在住中高年者698名を選定し, 有効回収票347名のうちいずれの質問項目にも欠損値を有さず, かつ自記入であることが確認できた271名を集計対象とした。共分散構造分析を用いた解析の結果, Liangらの提唱する「精神の安定(Mood tone)」, 「熱意(Zest of Life)], 「適応性(Congruence)」の3因子11項目からなる2次因子モデルの適合度が統計学的な許容水準を満たしていた。これは日本版生活満足度尺度(11項目版)の交差妥当性を支持するものである。