本研究は, 一般的なLocus of Controlと健康に関連した自己効力の関係について検討することを目的とした。調査対象として, 愛媛県島嶼部のA村在住中高年者698名を選定した。測定には, LevensonのLocus of Control尺度と横川らの健康管理自己効力感尺度を用いた。有効回収票347件のうちいずれの質問項目にも欠損値を有さず, かつ自記入であることが確認できた237件を集計対象とした。共分散構造分析を用いた解析の結果, 健康管理自己効力感尺度については, 「精神的安定」, 「保健行動」, 「運動」および「食事」の4因子からなる2次因子モデルがデータに適合することを明らかにした。Locus of Control尺度については, Shewchuk らの提唱する「運命・他者」および「自己」を1次因子とする2因子二次モデル(7項目版)がデータに適合した。これらの結果は, 両尺度の構成概念妥当性を支持するものである。また, 両尺度の関係については, 「自己」と「健康管理自己効力感」との間に有意な相関を認め, 内的統制と自己効力感とが正の相関関係にあるという従来の知見を支持するものとなっていた。
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