東京保健科学学会誌
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アルコール依存症者の心理と回復過程の研究 : 探偵小説の主人公を例として
安田 美弥子
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2001 年 3 巻 4 号 p. 236-242

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抄録
ローレンス・ブロック作の探偵小説「マット・スカダー」シリーズを用いて,アルコール依存症者が連続飲酒に陥っていく状況や,飲酒による様々な問題を否認する心理,意識喪失を起こし解毒治療に運ばれた場面,アルコール依存症であることを認めた段階を明らかにした。さらに,AAの集会に参加し,スポンサーの援助で危機を乗り越え回復していく過程を抽出し,同時に回復状況を作風の変化からも明らかにした。また,小説のなかで示されたアメリカにおけるアルコール依存症者に対する支援システムを日本の医療や,セルフヘルプグループなどの支援制度とを比較検討した。
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2001 日本保健科学学会
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