直線加速装置を用いた定位放射線照射では,小照射野における側方の電子平衡を考慮しなければならない。その線量測定には,検出器の大きさによる測定精度などの問題が残されている。現在,小照射野の線量測定は,基準電離箱を軸方向(電離箱の柄の部分が線束と平行)に設置して行われている。しかし,この方法ではステム効果や実効電離中心などの問題がある。三菱電機社製ライナックML-6Mから発生する6MV X線を用い,測定は小容種の平行平板電離箱を水中に設置して行った。この平行平板電離箱は軸方向にて使用し,実効電離中心は表面の内側となる。この設置ではケーブルが照射野内になるため,ケーブルの効果を考慮しなければならない。そこで我々は,電離箱のステム効果について研究を行った。その結果,線量評価において,ケーブルの長さによるステム効果の影響はほとんど現れなかった。