魚類学雑誌
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三宅島におけるクマノミの生殖行動
Jack T.MoyerLori J.Bell
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1976 年 23 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

クマノミの社会行動は, サンゴイソギンチャクの群落の大きさによって異なり, 大きく密な群落において威嚇行動はより顕著である.優占ペアのみが性行動を行なう.求愛行動 (卵床の清掃, 時々体を触れ合うこと翁イソギンチャクの触手を噛むこと) は, 雄によって始められる.頭を振る行動, 背腹にそり返る行動, 顎で発音する行動は, 新しい不安定なペアで多く見られ, 定着した古いペアでは弱く求愛行動でなく威嚇行動と思われる.産卵は午前9時から午後3時の問に行なわれる.卵は主に雄が保護する.夜間の保護行動は, 艀化の夜以外は見られない.卵は日没後34~70分後に艀化する.

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