魚類学雑誌
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ジマス動脈血Po2, pH, Htおよび赤血球変形能に及ぼす中度および強度運動負荷の影響
菊池 佑二George M. HughesGarry G. Duthie
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1985 年 31 巻 4 号 p. 422-426

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抄録

運動負荷による血液酸素運搬能の変化の有無を検討した.背動脈にカニュレーションしたニジマスを1.6体長/秒の速度で30分間 (中度) 泳がせ, 3時間の休止後, 再び2.0体長/秒の速度で30分間 (強度) 泳がせ, それぞれの運動負荷の前後でヘパリン採血した血液について, Po2, pH, Ht, 赤血球数, 血漿浸透圧および赤血球変形能を測定した.赤血球変形能は10cmH2Oの圧力差の下での赤血球の8μmニュークリポアフィルター通過時間の平均値を指標とした.pHは中度運動負荷後増加し, 強度運動負荷後減少した.前者は過呼吸を, 後者は乳酸産生増加を反映しているものと思われた.Po2, Ht, 赤血球数は中度運動負荷後増加したが, 強度運動負荷後の変化は明らかでなかった.赤血球変形能は中度, 殊に強度運動負荷後高まる傾向があったが, 有意ではなかった.運動中の血液酸素運搬能の増加について考察した.

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