魚類学雑誌
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ベラギンポ科とトビギンポ科の識別を主眼とする形態学的考察
Joseph S. Nelson
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1986 年 33 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
ベラギンポ科2種の骨学的研究の結果, トビギンポ科の仲間とは多数の相違点があることが明らかになった.両者の識別形質を次に要約する.ベラギンポ科魚類は, 斜位の側面突出縁をもつ扁平な (窪み型でない) 腹鰭基底, 扇状基底部を欠いた棒状外翼状骨, 前面に切り込みのある歯骨床, よく発達した後主上顎骨突起, 6個の眼下骨, より大きい上肋骨から生ずる肋骨, 1個の下尾骨側突起, および大きな前背鰭骨を有する.これまで得られた知見からはこれらの2科は形態学的には大きな相違はあるものの, 単系統分類群であることが支持される.しかし, 外翼状骨や中翼状骨のような骨格にみられた類似性からは, これら2科が比較的近縁な関係にあることが示唆される.
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