耳鼻咽喉科免疫アレルギー
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原著
最近経験した尋常性天疱瘡2 症例
浦田 真次竹内 啓一瀬 晴子石本 晋一
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2014 年 32 巻 4 号 p. 217-220

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抄録

水疱症は水疱やびらんを生じる疾患を総称するもので先天性と自己免疫性(天疱瘡,類天疱瘡)に分類される。自己免疫性疾患である天疱瘡は尋常性,落葉状に大別される。尋常性天疱瘡の臨床症状は多彩であり診断に至るまで難渋することも少なくない。初発症状としてしばしば口腔内のびらんや潰瘍が生じるため耳鼻咽喉科の役割は重要である。現在,臨床症状はデスモグレイン代償説にて理論的に説明可能とされており,我々の経験した2 症例も代償説を支持する形となった。抗デスモグレイン抗体は診断,治療判定のみならず臨床症状に相関するため非常に有用である。難治性口腔・咽喉頭病変の診断にあたる際には本疾患の可能性もあるため抗デスモグレイン抗体測定を行うことが重要であると考えられた。

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© 2014 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
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