耳鼻咽喉科免疫アレルギー
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総説
  • 戸嶋 一郎, 清水 猛史
    2019 年 37 巻 3 号 p. 217-222
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    活性化した2型自然リンパ球 (group 2 innate lymphoid cell: ILC2) は,多量のTh2サイトカイン (IL-5, IL-13, IL-4) などを産生し,気道の好酸球性炎症に関与している。アラキドン酸代謝物は,局所での生体の恒常性維持や炎症に極めて重要な役割を担っている。アラキドン酸代謝物であるプロスタグランジン (PG) D2やロイコトリエン (LT) C4, LTD4, LTE4刺激によって,ヒトILC2からのTh2サイトカイン産生は亢進するが,PGE2やPGI2, リポキシンA4はこのようなヒトILC2の働きを抑制する。ILC2は周囲の微小環境によって局所での炎症を増悪させるプレイヤーになるため,粘膜局所におけるアラキドン酸代謝物の増減は,ILC2を介した好酸球性炎症において非常に重要な意味を持つ。気道好酸球性アレルギー疾患である好酸球性副鼻腔炎の鼻茸やダニアレルギー性鼻炎の鼻粘膜にもILC2は存在している。本稿では,これら好酸球性副鼻腔炎やダニアレルギー性鼻炎の鼻粘膜におけるILC2とアラキドン酸代謝物との関係について概説する。

原著
  • 津田 武, 前田 陽平, 端山 昌樹, 武田 和也, 猪原 秀典
    2019 年 37 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    好酸球性副鼻腔炎 (ECRS) は,好酸球浸潤の強い鼻茸が鼻内に増生する難治性疾患である。原因として気道上皮細胞や2型ヘルパーT細胞 (Th2細胞),2型自然リンパ球 (Group 2 innate lymphoid cell: ILC2) といった様々な細胞がかかわるheterogeneousな疾患であり,さらなる病態形成因子の同定が期待されている。一方,好酸球に含まれる顆粒蛋白は抗寄生虫・抗菌作用を持ち生体の防御機構を担っているが,同時にその組織傷害性から様々なアレルギー疾患にも関与している。我々は好酸球に含まれる顆粒蛋白の一種であるEDNに着目しECRSにおける機能について検討を行った。その結果ECRS患者の血清EDN濃度は他の副鼻腔疾患患者と比較して有意に高く,臨床的な病勢と正の相関を認める結果であった。またECRS患者の鼻茸内ではEDNが高発現していた。ヒト鼻腔上皮細胞をrecombinant EDN蛋白で刺激しRNA-sequence解析を行った結果,epithelial mesenchymal transition pathway (EMT-pathway) が刺激によって最も大きく変動した。EMT-pathwayに含まれる遺伝子のうちMMP-9が最も発現量が高い遺伝子であった。EDNはECRSにおける難治性鼻茸形成に寄与すると考えられ,ECRSの治療において重要なターゲットとなる可能性がある。本稿ではECRSにおけるEDNの果たす役割を中心に解説する。

臨床ノート
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