牛伝染性リンパ腫(地方病性牛白血病)に対する農家の現状を知る目的で,全国167 戸の農家を対象にアンケートを実施した.その結果,過去に牛白血病ウイルスの検査をしたことがある農家は,検査をしたことのない農家と比較して,感染源についての知識が多く(p <0.01),情報源の数(p <0.05)が豊富だった.さらに,検査をしたことのある農家は,対策をしている割合が高く(p <0.01),その対策の数も多かった(p <0.01).これは検査を通じて農家にこの病気の感染源や対策の情報を伝えることができ,対策を促した結果と考えられた.また70%以上の農家が有料でも検査を希望していた.農家の自主的な感染防止対策の実施のためには,自分の農場の現状を知りたいという農家を中心に,積極的に検査をすることと,正確な情報を伝えるためのセミナー等の実施が必要であることがわかった.