日本舌側矯正歯科学会会誌
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舌側からの矯正装置の開発
深澤 真一
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2009 年 2009 巻 20 号 p. 10-20

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抄録
目的)
ブラケットを歯の舌面基底部に装着することは、歯軸の維持やワイヤー形態のシンプル化において有益であるが、舌房を狭めてしまうという欠点を有する。そこで今回は出来る限り舌房を狭めないためのブラケットの開発を行い、良好な結果を得たので症例を交え報告する。
方法)
AMERICAN ORTHODONTICS社により1980年代に開発されたリンガルブラケットを基に、これまで計測してきた歯の舌面基底部値とブラケット縮小化により、開発した。
結果)
ブラケットの形状はフックのような突起物はなく、シンプルで丸みを帯びた形状とした。幅 : 2.0mm、高さ : 3.3mm、厚さ : 1.8mm。
考察)
歯の舌面基底部に合ったブラケットを選択することにより、歯面とブラケットとの隙間を小さくすることができ、舌の異物感は軽減された。またブラケットを歯頚部に装着することから、前歯歯軸の維持がしやすく、短期間での唇舌的な前歯の動きに対して歯軸は良好な状態に維持された。
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© 2009 日本舌側矯正歯科学会
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