日本舌側矯正歯科学会会誌
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最新号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 菊池 毅
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 5-9
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    歯周治療と矯正治療は,包括的歯科治療を行ううえで密接な連携が必要であり,補完的な関係性が理想である.歯周病のコントロールを行うにあたり,歯列不正はプラークコントロールや咬合の管理を著しく困難にする.矯正治療前に歯周疾患があったとしても炎症のコントロールができていれば矯正治療の禁忌とはならないことが示唆されている.一方,動的矯正治療後,歯肉退縮や歯冠長の短縮,歯間鼓形空隙の拡大など審美的ならびに機能的な歯周組織の問題が起こりうる.そのような場合,術前および術後の診断を適切に行い,歯周形成手術や歯の修復処置等によって対応可能なケースも多い.特に,矯正治療前に歯肉退縮を伴う状態でボーンハウジングから逸脱した位置に存在していた歯に対して動的矯正治療を行うと,ボーンハウジング内への移動に伴い歯肉退縮が改善するケースを認めるため,矯正治療前の歯周形成手術の適応は慎重に判断するべきである.
  • 髙柳 譲司, 長谷川 尚哉
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 10-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    リンガル矯正を行う場合,舌側歯面の形態が複雑で個々によって大きく異なる.そのため,リンガル矯正ではブラケットポジションを決める際にセットアップモデルが必須となることは周知の通りである.しかしながらアナログのリンガルセットアップを作製する作業は煩雑で手間と時間そして技工士の技術差が大きく影響する.近年ではオーラルスキャナーを使用したデジタル印象よりセットアップモデルを作製し,インダイレクトボンディングのコアまでオールデジタルで作製するシステムがある.デジタルセットアップの利点としてデータの確認や修正をネット環境があれば場所問わず直ぐに確認することができる.一方でアナログセットアップの利点は,その場でのブラケットポジションの変更を即座に対応することができることや,実際に模型の噛み合わせを確認できることがあげられる.デジタルとアナログのどちらにおいても利点と欠点があるが,この度,双方の利点を融合させたハーフデジタルセットアップを考案したので供覧させていただきたい.
  • 中川 学
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 19-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    リンガル矯正治療では,特に下顎で非常に固定源が強く,叢生が少ない症例などでは小臼歯非抜歯でもそのバイオメカニクスから下顎前歯を後退させる事も期待できる.それに加え,近年比較的頻繁に活用されるようになった歯科矯正用アンカースクリューやIPRを併用することで,ラビアル矯正治療よりも症例によっては小臼歯非抜歯で治療できる場合が多いと考える.今回これらの事を考慮しタイプの異なる不正咬合の2症例にリンガル矯正治療を行い,良好な結果を得られたのでその詳細を報告する.
  • 平均的E-lineをもとにしたプロファイルの理想像
    永田 雄己
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 30-40
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
     歯科矯正治療では,正常咬合の獲得と同時に,顔面形態を理想像に近づける治療計画を立案する必要がある.理想像を具体化するものとして平均像があり,矯正歯科医は患者の各計測項目の値を平均値に近似させる目標を立て治療を行う. 本研究では非接触3次元デジタイザによって採得された70名の日本人正常咬合者の3次元顔面データを用いて,日本人のE-lineの平均値を算出した.その結果,日本人のE-lineの平均値は上唇:-0.77 mm,下唇:+0.80 mm(セファロ分析値として用いる場合は上唇:-0.85 mm,下唇:-0.87 mm)という数値が得られた.  この結果は矯正治療でめざすべき治療目標として有用であるか,またこの結果を目標とした治療に口唇の厚みが与える影響について以下の3症例の治療結果を交えながら解説する. Case 1:skeletal ClassⅡ傾向を伴うハイアングル上下顎前突症例 Case 2:口唇の薄いAngle ClassⅡ div.1症例 Case 3:口唇の厚いAngle ClassⅡ div.1症例
  • 田ヶ原 昭弘
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 41-49
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    癒合歯がある症例は上下顎前歯部のトゥースサイズレシオが調和しないために治療計画が難しく,その審美的な解決のためには包括的歯科治療が有効である.患者は初診時17歳男性.アングルⅠ級叢生の症例で,下顎右側中切歯と側切歯が癒合歯になっていて,その歯幅は9.0 mmであった.TOPアナライザーシステムを利用したセットアップモデルによるシミュレーションを行い,癒合歯の近遠心に空隙をあけてラミネートべニアで二歯として修復する治療計画を立案した.矯正治療は上下4本の第一小臼歯と4本の第三大臼歯を抜去して上下舌側矯正装置で行った.レベリング終了後,上顎は歯科矯正用アンカースクリューを利用して抜歯空隙の閉鎖を行った.矯正治療終了後,癒合歯のテンポラリーモックアップで審美性と機能性のシミュレーションを行い,問題がないことを確認してラミネートべニア修復を行った.癒合歯を二歯に見えるように修復するラミネートべニアは非常に有効な治療オプションだと考えられる.
  • 3Dプリンタを使用し舌側矯正装置のインダイレクトコアを製作するダイレクトプリンティング法の提案
    金尾 晃, 赤木 秀瑛, 根岸 慎一
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 50-54
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    舌側矯正装置製作のためのセットアップとIDBトレーの設計をデジタル環境で行う方法を紹介する.従来の石膏模型を使用した技工操作では難しかったレジンベースにトルクやアンギュレーション,ローテーションを加えるBuild-in Baseテクニックを報告する.
  • その後のアップデート
    佐藤 俊仁, 若林 みちる
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 55-58
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    舌側矯正治療の難しさは,その治療操作が唇側ブラケットに比べて複雑である上,ブラケットのポジショニングおよびブラケット接着,撤去が困難であることにある.今回,インダイレクトボンディング用のブラケットコア(ジグとも言う)の接着に際し,スーパーボンドの新しいデリバリー操作が専用のマイクロシリンジを使うことにより可能となったこと,そしてブラケット撤去に際して超音波テクニックを利用する方法1)が完成し,より安全で容易に短時間で行えることになったのでここに報告する.
  • 加藤 沙弥香
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 59-64
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
    What kind of orthodontic clinic do you want to visit? When you receive medical care or service, you should want to be dealt good and to receive service that is so kind. Then, what is good dealing with and kind service in orthodontics? In this report, I am going to explain some necessaries for staffs to play each role perfect and patients want to see the orthodontics.
  • 植木 雅士, 上田 直矢, 奥田 友理子, 小林 仁, 中川 学, 前川 裕亮, 山本 浩司, 吉田 賢正
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 65-98
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
  • 池永 法史, 上村 裕希, 佐藤 俊仁, 須田 圭伊子, 土川 太一, 山中 美穂
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 99-138
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
  • 飯田 賀代, 大矢 伸治, 岡下 慎太郎, 田隅 泰三 Taizo Tazumi, 伝法 昌広, 姫野 良祐, 平野 正芳, 山片 重徳
    2023 年 2023 巻 33 号 p. 139-166
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル フリー
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