私が舌側からの矯正臨床に関わり、本格的な治療を始めてから約20年経過した。その間多くの先人達の功績に助けられ、技工操作システムの確立、治療期間の短縮、適応症の拡大、ブラケットによる歯牙コントロールの適正化、インプラントアンカーの応用など、唇側からの矯正治療と比較して質の向上、さらに咬合の安定性に大きな差がなくなったことを実感している。
今回、成人女性 のAngle classⅡdiv.1症例を舌側からの矯正で治療し、保定終了から7年経過した患者さんの資料をもとに、咬合の安定に関わるEsthetic、Biology、Function、Structureの4項目について検証したので考察する。