日本舌側矯正歯科学会会誌
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癒合歯をラミネートべニアで二歯として修復したアングルⅠ級叢生症例
田ヶ原 昭弘
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2023 年 2023 巻 33 号 p. 41-49

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抄録

癒合歯がある症例は上下顎前歯部のトゥースサイズレシオが調和しないために治療計画が難しく,その審美的な解決のためには包括的歯科治療が有効である.患者は初診時17歳男性.アングルⅠ級叢生の症例で,下顎右側中切歯と側切歯が癒合歯になっていて,その歯幅は9.0 mmであった.TOPアナライザーシステムを利用したセットアップモデルによるシミュレーションを行い,癒合歯の近遠心に空隙をあけてラミネートべニアで二歯として修復する治療計画を立案した.矯正治療は上下4本の第一小臼歯と4本の第三大臼歯を抜去して上下舌側矯正装置で行った.レベリング終了後,上顎は歯科矯正用アンカースクリューを利用して抜歯空隙の閉鎖を行った.矯正治療終了後,癒合歯のテンポラリーモックアップで審美性と機能性のシミュレーションを行い,問題がないことを確認してラミネートべニア修復を行った.癒合歯を二歯に見えるように修復するラミネートべニアは非常に有効な治療オプションだと考えられる.

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© 2023 日本舌側矯正歯科学会
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