音声言語医学
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症例
変声障害に対して音声治療を施行した4症例
兒玉 成博讃岐 徹治
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2021 年 62 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

変声障害に対する治療の第一選択として音声治療がある.変声障害に対する音声治療は有効であるものの,難治例も見受けられる.今回,変声障害に対する音声治療後の喉頭内視鏡所見および発声機能について検討した.
対象は,変声障害と診断された4例で,すべて男性であった.音声治療としてすべての症例にKG法を施行し,1例に吸気発声法を併用した.
結果,正常な地声発声を獲得したのは4例中3例であった.また,地声発声を獲得した3例は,MPTの延長,話声位の低下,声域の拡大,PPQ,APQの改善を認めた.地声発声を獲得できなかった1例は,長年の発声習慣のため,低い声に対して抵抗感があり,声の出しにくさを認めた.

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© 2021 日本音声言語医学会
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