音声言語医学
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症例
言語障害特別支援学級における発達性読み書き障害2例への聴覚法指導の試み
大森 美代宇野 彰
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2022 年 63 巻 1 号 p. 43-49

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抄録

対象症例は,言語障害特別支援学級に在籍する発達性読み書き障害児2名である.1名は言語発達障害の併存を認めた.2名はともに知能は正常であり,音声言語の長期記憶も良好であり,練習して文字を習得したいという意思が明確である,という3条件を満たしていたため,宇野ら(2015)の聴覚法を用いてひらがな,カタカナの指導を実施した.その結果,約10週間後に両名ともにひらがな,カタカナがほぼ完璧に習得でき,その後も維持できていた.家庭学習が困難な読み書き障害児に対して,自立活動の時間の活用と専門教員の育成により,効果的な指導が言語障害児特別支援学級において可能であることが示唆された.

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© 2022 日本音声言語医学会
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