2022 年 63 巻 3 号 p. 183-191
医療従事者に対してマスク着用に対する音声疲労について検討した.対象は松山リハビリテーション病院に勤務し,アンケートに回答した459名(男性100名,女性359名)とした.検討項目はアンケート(マスク着用時間・声の使用時間,喉の症状,疲労感・ストレス感),VFI(Vocal Fatigue Index),VHI-10とした.アンケートでは「息苦しさ」が271人(80.8%)と多く,喉の症状は「疲労感」が82人(17.9%)と少なかった.VFIでは女性,50代,介護職が高い値を示し,Factor別ではFactor R(休息による回復)の値が高かった.VFIでのカットオフ値以上は24.6%であった.VHI-10では男性,70代が高い値を示し,STは低かった.側面別では全体で機能的側面が高く,感情的側面は低かった.「疲労感」ありとなしではVFIスコアに有意差を認めた.