音声言語医学
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原著
ユニバーサルデザインデジタル教科書体が発達性読み書き障害児群の音読の正確性,流暢性および読解力に与える影響
後藤 多可志宇野 彰春原 則子横井 美緒三盃 亜美大六 一志
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2023 年 64 巻 2 号 p. 105-115

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抄録

本研究では,小学4年生から中学3年生までの発達性読み書き障害児24名と典型発達児24名を対象に,ユニバーサルデザインデジタル教科書体(以下,UD書体)が音読や読解に与える影響を検討した.刺激は,音読課題(仮名非語,文章およびアルファベット)と文章読解課題で,書体はUD書体と教科書体の2種類を使用した.対象児に,2種類の書体で作成された音読課題と読解課題を実施した後,文字の読みやすさについて内観を聴取した.その結果,両群ともに音読課題における所要時間,誤読数,自己修正数と,読解課題の正答数に2書体間で有意差は認められなかった.主観的に,両群とも文字の可読性と読みの正確性についてUD書体を有意に選好したが,読みの流暢性についてUD書体は有意に選好されなかった.本研究の結果から,客観的評価と主観的評価は異なり,UD書体による正確性,流暢性および読解力に関する「読みやすさ」の指標は見出せなかった.

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© 2023 日本音声言語医学会
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