音声言語医学
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原著
頭頸部癌への化学放射線療法に伴う嚥下障害に対する予防的リハビリテーション
―患者用ハンドブックの作成とその導入効果―
兼岡 麻子荻野 亜希子井口 はるひ七里 朋子松﨑 彩花佐藤 拓後藤 多嘉緒山内 彰人齊藤 祐毅上羽 瑠美
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ジャーナル 認証あり

2023 年 64 巻 2 号 p. 85-95

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抄録

【目的】頭頸部癌への化学放射線療法(chemoradiation therapy, CRT)に伴う嚥下障害に対する予防的リハビリテーションにおいて,行動変容手法を用いたハンドブックを導入し,患者アドヒアランスの向上度を検証した.
【方法】対象は,頭頸部癌に対するCRTを完遂した患者.ハンドブックを用いてトレーニングを行った患者を導入群,過去にハンドブックを用いずに行った患者を対照群とした.自主トレーニングの実施率が80%以上の患者を高アドヒアランスとした.
【結果】高アドヒアランスは導入群15名中4名(26.7%),対照群15名中7名(46.7%)で,両群に有意差はなかった.CRT終了時の口腔粘膜炎グレードは,導入群で有意に高かった.その他の因子は両群に差はなかった.
【結論】ハンドブックの導入により,患者アドヒアランスは向上しなかった.ただし,口腔粘膜炎等のトレーニングの阻害要因が重度な場合,ハンドブックは患者の意欲維持やトレーニング継続に寄与する可能性がある.

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© 2023 日本音声言語医学会
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