歌声は呼気調節,喉頭調節,声道調節とその統合で生成される.理想とされる歌声はジャンル,言語,音響環境などで異なり,この多様性を理解しなければならない.そのためには発声のメカニズムに基づく発声状態の評価が必要である.私は発声の3要素を一貫する3stepを考案した.
Step 1:ストレインゲージシステムとMRIなどで5分類した簡易呼吸法評価Saida法の発案
Step 2:ハイスピードカメラとEGGでボーカルフライ,地声,裏声とホイッスルボイスの4つの声帯振動様式の特徴を明らかにし,声の高さと呼気流率を軸にしたVoice range mapを発案.各声帯振動様式との関係も明らかにした.
Step 3:音源特性と声道特性の要素を軸としたTone color mapを発案,これは聴覚印象に対応し,望む音色の喉頭調節と声道形態を知ることができ,声を自由にデザインすることが可能となる.
3つのstepは,音声外科,音声治療,ボイストレーニングなどでの声の設計図として応用可能である.