音声言語医学
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平均呼気流率, 声の基本周波数および声の強さの同時測定
―正常成人男女各30名の成績―
寺澤 るり子垣田 有紀平野 実
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1984 年 25 巻 3 号 p. 189-207

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抄録

楽な発声における平均呼気流率 (U) , 声の基本周波数 (Fo) , 声の強さ (I) についての正常域を得るためには, 異なる性と種々の年齢群の膨大な数の対象について調べなければならない.これは1人の研究者, 1つの施設では容易な仕事ではない.この論文の目的は, (1) 限られた数の対象から得られた成績を報告すること, (2) 統計処理の例を示すこと, (3) われわれのデータを利用したいほかの研究者のために記録にとどめおくこと, にある.
各パラメータの分布パタンは幹-葉表示, 箱-ひげグラフ, mids, 25%pseudspreadを用いて検討した.はずれ値はSmirnoffの検定を用いて検出した.UとFoについては, 対数変換と平方根変換を試みた.
Uの平均値と棄却限界は男で156cm3/secと99~246cm3/sec, 女で158cm3/secと96~260cm3/secであった.Foの平均値と棄却限界は男で121Hzと85~164Hz, 女で238Hzと205Hzであった.Iの平均値と棄却限界は男で75dBと60~84dB, 女で69dBと62~77dBであった.

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© 日本音声言語医学会
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