音声言語医学
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舌を使った子音の構音発達―健常児1例と早期に手術を受けた口蓋裂児1例との比較―
平野 信子中島 誠川野 通夫三田村 啓子国吉 京子井上 幸木戸 直博
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1998 年 39 巻 2 号 p. 179-192

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抄録

早期に手術を受けた口蓋裂児の構音発達を検討するための一資料として, 健常児1例と口蓋裂児1例について, どのような過程で, 舌を使った子音を日本語の有意味語音声として獲得していくのかを比較検討した.検討期間は健常児は1歳1ヵ月から9歳まで, 口蓋裂児は1歳8ヵ月から6歳1ヵ月までである.
1.健常児と口蓋裂児は, ともに下記に示す舌を使った子音構音発達をすることが見出された.
2.歯音または歯茎音は児童期始め頃まで軟口蓋音だけでなく硬口蓋音で構音している場合が多かった.口蓋化構音といわれる音との関連を検討した.
3.構音発達の過程で, いろいろな子音を声門破裂音で構音することもあったが, 発達の過程で本来の子音を構音するようになった.

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