音声言語医学
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健常者における最強blowing時の口蓋帆挙筋の疲労
―口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例との相違―
野原 幹司舘村 卓和田 健
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2002 年 43 巻 3 号 p. 302-307

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抄録

先行研究において, 口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例で認められた最強blowing時の口蓋帆挙筋の疲労が, 健常者でも認められるかどうか検討を行った.健常者5名を対象に, 先行研究と同じ10秒以上の最強blowingを行わせ, blowing時の口腔内圧が安定した10秒間の口蓋帆挙筋筋電図をsampling rate 2000Hzで採取した.筋電図信号を0.5秒ごとに区切り, 各0.5秒ごとのMPFを求め, blowingの経過時間に伴いMPFが低下するかどうかを検討した.その結果, 最強blowingの経過時間に対するMPFの回帰直線の傾きは, 5被験者中1名で正の傾きを, 4名で負の値を示したものの, 全被験者で有意性が認められなかった.このことから, 健常者の口蓋帆挙筋は, 1回の最強blowingでは疲労しない可能性が示唆された.また, 本研究と先行研究の結果とを併せて考えると, 口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例の口蓋帆挙筋は, 健常者と比べて, 疲労しやすい可能性が考えられた.

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