音声言語医学
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12ヵ月未満の難聴児の早期療育効果について
内山 勉徳光 裕子
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2004 年 45 巻 3 号 p. 198-205

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抄録

療育開始が生後12ヵ月未満の難聴児の療育効果について検討を行った.対象とした難聴児39名は聴力80~115dBで, 同一の通園施設で聴覚―口話法による療育を受けている.療育開始年齢を基に難聴児を0歳群6名, 1歳群19名, 2歳群14名に分け, 6歳時点でWPPSI知能検査結果を基に各群の比較を行った.さらに施設での療育修了後, 追跡できた難聴児30名 (0歳群6名, 1歳群14名, 2歳群10名) について, WISC III知能検査結果を基に各群の比較を行った.6歳時点のWPPSI知能検査結果およびWISC III知能検査 (評価年齢7~15歳) によると, 各群は聴力および動作性IQには差がないものの, 言語性IQは年齢とともに低下する傾向があり, 0歳群の言語性IQ (WPPSI検査平均98) は2歳群の言語性IQ (WPPSI検査平均77) に比べ有意に高かった.この結果から, 12ヵ月未満の乳児期からの早期療育は明らかに効果のあることが判明した.

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