音声言語医学
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嚥下障害診療の取り組み
―嚥下障害診療の原形を求めて―
三枝 英人
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2005 年 46 巻 3 号 p. 196-200

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抄録

嚥下障害の発症には, 咽喉頭, 口腔などの機能異常や欠損といった局所的な要素 (局所的嚥下) と, 姿勢や体幹, 頭位保持の能力, 意識, 喀出力などの全身的な要素 (全身的嚥下) とが関与し, 特に全身的嚥下の障害は, 嚥下障害全体を修飾し, また単独でも嚥下障害の直接的原因となりうることに注意すべきである.その診療にあたっては, 水分・栄養供給の保持, 誤嚥に対する下気道の防御といった生物学的対応とともに, 嚥下障害の産み出す心理的, 家族的, 社会的, さらに経済的問題までも含めて十分考慮して対応にあたることが肝要である.

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© 日本音声言語医学会
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