音声言語医学
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難聴児の聴覚言語発達に関する早期発見の恩恵
中澤 操
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2007 年 48 巻 3 号 p. 263-269

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抄録

聴覚障碍の可及的早期発見は関係者の悲願であったが, 新生児聴覚スクリーニング (以下スクリーニング) がそれを可能にした.早期診断と早期療育は聴覚学習効果に直結する.またコミュニケーションや言語力を高めていくときに, 聴力レベル, 語音聴取能力の個々の違い, 発達障碍の程度, 家庭の言語背景などをも考慮すると, 視覚活用も含めてさまざまな言語モードを併用する療育体制も重要性を増している.これらについての保護者への啓発と専門家の介入が早期から組織的に行われることで, 聴覚障碍児自身の能力向上のみならず, その自己肯定感確立や社会的不利軽減に寄与することこそがスクリーニングの真の恩恵と思われる.

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