抄録
高齢者のwell-beingを保つためには社会的接触で得られる「互助」に加えてセルフヘルプとしての「自助」が有効と考え,「自助」としてのマインドフルネスが高齢者のwell-beingに及ぼす影響について検討した。高齢者76名を対象にK6と主観的幸福感に対するマインドフルネスの影響について,関連変数を統制して分析した。結果,マインドフルネスと経済状況はいずれにもポジティブな影響が示された。主観的幸福感に対しては社会的接触はポジティブ,配偶者と就労状況はネガティブな影響が示された。また,マインドフルネスを導入したプログラムを開発して上記の内33名(介入群)に実施し,残り43名を統制群として比較検討を行った。結果,介入直後の群内比較および介入前と介入後1カ月時の群間比較で主観的幸福感が高まった。マインドフルネスはwell-beingを高めるセルフヘルプとして「自助」機能を持つ可能性が示唆された。