マインドフルネス研究
Online ISSN : 2436-0651
ISSN-L : 2436-0651
日本におけるマインドフルネスアプリの現状と課題
アプリの体系的評価を通して
秋山 海登 佐々木 翼
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 9 巻 1 号 p. 31-43

詳細
抄録
近年,メンタルヘルスアプリの利用が増加し,多くがマインドフルネスに関するコンテンツを提供している。本研究の目的は,日本で利用可能なマインドフルネスに関するスマートフォンアプリの品質を体系的に評価すること,およびアプリ内コンテンツの科学的根拠とプライバシーポリシーの現状を明らかにすることであった。2022年12月にアプリストアから1638個のアプリが特定され,①「マインドフルネス」または「瞑想」という言葉がタイトルかつWebの説明文に記載されていること,②マインドフルネスに関するコンテンツを十分に提供していること,③日本語で利用可能であることの適格基準に基づいて,最終的に21個のアプリが評価対象となった。アプリの品質評価にはMobile App Rating Scaleが用いられ,評価の平均値は3.380と中程度の水準にあった。科学的根拠の有無については7個のアプリが学術論文で取り上げられており,そのうち2個のアプリは無作為化比較試験で有効性が検討されていた。また,プライバシーポリシーを公開しているアプリは17個であった。今後は無作為化比較試験をはじめとした科学的根拠のさらなる蓄積とともに,翻訳精度やプライバシー保護を含む情報の透明性を高め,ユーザビリティを改善する取り組みが重要と考えられる。
著者関連情報
© 2025 本論文著者

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top