抄録
われわれは, 精神科から紹介された患者139例について臨床的統計を行い以下の結果を得た.
1) これら139例は1995年1月から2000年7月までの5年7ヶ月間における全外来患者数の1.33%を占めていた.
2) 精神科的診断は, 精神分裂病46例 (33.1%), 躁鬱病44例 (31.7%), 器質性精神障害19例 (13.7%) の順に多く認められた.
3) 当科における診断では, 歯科疾患が107例 (77.0%), 異常なしが16例 (11.5%), 口腔外科的疾患が16例 (11.5%) であった.
4) 口腔外科的疾患16例の治療経過中, 2例 (精神分裂病, 解離性障害の各1例) が自殺に至る症例であった.
精神疾患患者における事故や偶発症を避けるために, 我々は他の有病者以上に精神状態の注意深い観察を行う必要がある.