有病者歯科医療
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入院管理を要した急性歯性感染症の臨床的検討
CRP値と重症度の関連について
和田 重人古田 勲山秋 洋人高桜 武史
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2003 年 12 巻 2 号 p. 61-66

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抄録

1996年4月から2001年3月までの5年間に富山医科薬科大学附属病院歯科口腔外科において入院管理を要した急性歯性感染症53例を対象とし, CRP値と重症度の関連を中心に検討を行ない以下の結果を得た.
1) 年齢は9歳から82歳に分布し, 平均44.1歳であった. 年代別では20歳代から50歳代の症例が全症例の73.1%を占めていた. 性別では男女比1: 1.2であった.
2) 炎症の種類では, 顎骨周囲炎が26例 (49.0%) と最も多く, 次いで蜂窩織炎17例 (32.1%) 歯性上顎洞炎が4例 (7.5%), 智歯周囲炎が3例 (5.7%) が多く認められた. その他3例は, 歯周組織炎が2例, 顎骨骨髄炎が1例であった.
3) 有病率は, 47.2%と高く, 中でも高血圧症 (6例), 糖尿病 (3例), 腎疾患 (3例), 肝疾患 (3例) などが多く認められた.
4) CRP値と入院日数に相関が認められた (Y=0.44X+4.44, R=0.51, R2=0.26, P=0.0016, N=35). なお, 縦隔炎に移行した2例における入院時のCRP値は, 26.2および28.4mg/dlときわめて高値であった.

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